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家づくり|日影と防火の規制
日影と防火の規制
前回までに説明してきた規制は、建物の大きさや形を規制する「形態制限」でしたが、そのほかにも良好な住環境づくりのために制限されているものがあります。今回はその2つについて解説します。
日影規制に注意
建物が建つことで、周辺に影をつくり、場合によっては著しく日照を阻害してしまうことがあります。そこで、周囲の日照を確保するために建物の高さを制限する「日影規制」が設けられています。
1年で最も影が長くなる冬至の日の午前8時から午後4時(北海道のみ午前9時から午後3時)の間、隣地に一定時間以上続けて影を落とさないよう設計する必要があります。
たとえば、「第1種・第2種低層住居専用地域」内では、戸建て住宅であっても3階建て以上や軒の高さが7mを超える建物(そのほかの地域では10mを超える建物)が日影規制の対象となっています。
家を建てるときは、敷地の日影規制を事前に役所などで調べておく必要があります。
都市部は耐火仕様の建物に
また、建物に火災が起こったとき、その火災がほかの建物に及ばないよう、地域で集団的に規制して都市を守ろうという目的から、都市計画法では「防火地域」や「準防火地域」を定め、防火に関する規制を設けています。
とくに建物が密集する都心部では、いったん火災が起こると大惨事につながる恐れがあるため、防火地域に指定して、建物は「耐火建築物」にすることを促しています。
都心と郊外の中間地区では、準防火地域に指定して、できるだけ建物を燃えにくくするようにしています。木造建築の場合は、外壁を防火性能のある材料で仕上げるなどの防火構造にする必要があります。
各地域の制限の内容は、建築基準法で定められています。防火地域であれば、同じ2階建てであっても、延べ床面積が100㎡以下なら準耐火建築物問題ありませんが、100㎡を超える場合には、規制の厳しい耐火建築物等にしなければなりません。どの地域が指定されているかは都市計画図などに記載されていますので、役所で確認できます。
建物の部位に関しても規定があります。たとえば、準防火地域の建物では、外壁や軒裏について「木造建築物等(準耐火建築物を除く)は、延焼のおそれのある部分を防火構造とする」と定められています。ここで「延焼のおそれのある部分」とは、隣接する建物などが火災になった場合、延焼する可能性の高い部分のことを指します。火災の特性によって、1階より2階のほうが燃え広がる可能性が高いことから、2階以上で隣接する住戸との距離を離すことになっています。(1階については境界線から3m、2階以上については境界線から5mの延焼限界距離が認定されている)