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家づくり|長く住むためのお手入れポイント
長持ちする家を
住まいのメンテナンスは大がかりな修繕に限ったことではありません。日々の手入れの積み重ねによって、部材や機器類の寿命は延ばすことができ、ひいては大規模な修繕の回数を減らすことにもつながります。
手入れをすれば長持ちする
住まいは、気候の厳しい時季を含め、四季の変化に伴って著しく移り変わる気象条件のもと、長期にわたって使われるものです。そうしたあり方に見合った住まい方、手入れの仕方を心がけることによって、住まいの寿命を長くすることも可能になります。定期的に手入れする習慣を身に付けたいものです。
適材適所の手入れ方法
主要な部材である木材、鉄、セメント以外にも、住まいにはさまざまな材料が使われており、それらの性質を理解し、それぞれに合った手入れをする必要があります。
主な場所と材質ごとの手入れのポイントを下記にまとめました。自分では難しく、専門家に依頼したほうがよいものもありますが、何から何まで人任せでは費用もかかりますし、タイミングを逃してしまうことにもなりかねません。
こだわって竣工させた住まいですから、使われている材料やつくりをよく知り、できる限りの維持管理を家族で担ってこそ、愛着も深まります。
部位別お手入れポイント
外壁・床下
■モルタル外壁…陽の当たらない北側などにカビが出やすいので、風通しに気をつけ、物を密着させて置かないようにする。大きなひび割れは応急処置として充填材で隙間を埋めてから、専門家に連絡する
■サイディング外壁…継ぎ目のシーリングは特に劣化しやすい。あちこち切れたりひび割れたりしていれば専門家に連絡。部分的に切れているのを見つけたら、隙間を埋める補修を行う
■板張り外壁…木材保護塗料の耐候性は思いのほか短く、2~3年に1度塗り替えるのが理想
■床下換気口…床下を湿気から守るには、換気口の役目は重要なので、植木鉢など物を置いて塞がないようにする
屋根
■瓦屋根…ずれや割れをチェック。異常があれば専門家に相談する。屋根上での作業は危険!
■化粧スレート屋根…割れや変色、色あせをチェック。異常があれば専門家に相談する。屋根上での作業は危険!
■金属板屋根…錆びや変色、色あせをチェック。異常があれば専門家に相談する。屋根上での作業は危険!
■雨樋(あまどい)…雨降り時に軒樋(のきどい)から水があふれ出していれば、落ち葉などで樋が詰まっている可能性大。取り除ける高さ以外は無理をせず専門家に連絡を
バルコニー
■防水床…ビニールやプラスチック系の床は熱に弱いので、花火やたばこの火を近づけるのは禁物。表面は傷つきやすいため、金属タワシなどは使用しない
■木部…雨掛かりの部分は傷みやすいので、濡れた状態が長引くことがないよう気にかけておく。木材保護塗料は2~3年に1度塗り替えるのが理想
■アルミ部…表面についた土ぼこりなどを布で拭き取る。強く拭くと砂等でアルミ表面に傷をつけるので注意。落ちにくい汚れはぬるま湯で薄めた中性洗剤で洗い、洗剤が残らないよう洗い流す
その他の外まわり
■敷地の排水…敷地に湿気が多いと建物がシロアリや腐朽菌の害にあうほか、住む人の健康上好ましくないので、スムーズに排水するようにする。また、排水用の溜桝は時々掃除を
■基礎まわり…下水工事、水道工事、植栽など基礎の周辺を深く掘るときは、基礎を傷めないよう注意。建物に近接して大木になるような木を植えると、将来根が基礎を破壊したり、枝葉が屋根などを傷めるので避ける
キッチン
■換気扇…取り外しができる部分は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸しておいてから汚れを取る。外せない部分にスプレー式の洗剤を用いても、スイッチなどの電気部分には直接かけないよう注意
■コンロまわり…油分を含むコンロまわりの汚れは、時間とともに取れにくくなるため、早めに拭き取る。五徳は外して洗い、ガスバーナーは専用ブラシで時々磨き、目詰まりを防止する
■流し台まわり…ステンレス製流し台は、使用後に全体を洗い流し水気を拭き取っておく。人工大理石の汚れはクリームクレンザーで、ひどい場合はサンドペーパーで削り取る
床
■フローリング…普段は掃除機掛けか乾拭きで。水拭きはNG。汚れ防止にワックスを塗ってから生活を始め、半年~1年ごとに塗りなおす。無垢床は凹ませた場合も濡れ布の上からアイロン掛けすると元に戻ることが多い
■畳…普段は畳の目に沿った掃除機掛けと乾拭きで。汚した場合も水拭きは避ける。カビが出てしまったらアルコールで拭き取る
■カーペット…普段は掃除機掛けで。汚した個所は薄めた住居用洗剤をしみこませた布で叩きとるなど。汚したら定着する前にすぐに取る。年に1、2度はカーペットクリーナーを使って全体を掃除するとよい
■ビニルシート…トイレや洗面所、キッチンの床によく使われる床材。汚れはお湯で薄めた中性洗剤で落とし、その後水拭きしてOK
■タイル…屋外床:普段はほうきなどで掃き掃除を。汚れがついたら水をかけデッキブラシでこすり洗い流す
屋内床:普段は掃除機で埃を取る。汚れは中性洗剤を使い、濡れモップかデッキブラシでこすり落とす
壁・天井
■ビニルクロス…軽い汚れは薄い住居用洗剤に浸したかた絞りの雑巾で拭き取る。紙の継ぎ目が濡れるとはがれやすいので注意。経年で、接着剤が浮き出て見えたり、薄汚れてきたら貼り替えが必要
■紙・布張り…表面の埃が目立ってきたら、壁用ノズルをつけた掃除機をかける。汚れをスポンジでこするなどはNG。汚れは洗剤をお湯で薄め浸したかた絞りの布で叩くように拭き取る。消しゴムできれいになることも
■漆喰・珪藻土…普段ははたき掛け程度で。水を使った掃除は禁物。ひどく汚したり大きな疵がつけば、塗り替える
■板張り…普段ははたき掛けか乾拭きで。部分的な汚れは薄めた洗剤で拭き取ったあと、濡れた布で洗剤分を取り除く。化粧合板は表面をあまり強くこすらないように
水まわり
■トイレ…トイレが詰まったらまず水を流すのをやめる。止水栓も閉め、市販のゴム製通水カップを用いれば、ちょっとしたつまりは直せる。無理なら専門家に依頼のこと
■洗面台…キャビネット部分は中性洗剤で水拭き後、洗剤分を拭き取る。陶器のボウルは薄めた中性洗剤とスポンジで洗う。汚れがあればクリームクレンザーもOK。水栓はメラミンフォームスポンジで磨きピカピカに
■浴室…換気をよくして、湿気を早く外へ出す。天井や壁を濡れたままの状態にしておかない。カビが出た場合は、市販のカビ取り剤や塩素系漂白剤を使う。排水口の髪の毛などを随時取り除き、排水不良を防止
建具
■サッシ…下枠は汚れやすいので、掃除機やハケで砂や埃を取り除き、水拭きする。アルミ部分を強くこすらない。サッシの滑りが悪いときは戸車にシリコーンスプレーをすると改善する場合が多い
■ドア…ドアの開閉速度はドアクローザーについているネジで調整ができる。ドアのしまりが悪いときは蝶番をチェック。ネジが緩んでいることが多い。蝶番に潤滑油を注すとスムーズな開閉に
■引戸…滑りが悪くなったら、まず敷居に溜まったゴミを取り除く。それでも悪いときは、戸車のある引戸なら戸車のネジを調整、障子や襖は下枠に滑りをよくするシートを張るか、敷居に専用ロウを塗ると改善する