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家づくり|窓の種類と選び方
窓の種類
窓は、住宅の内と外をつなぐ重要な部位です。そして、光や風、熱などが出入りする場所でもあります。
配置する場所に適した形式・性能の窓をここでは、効果的に選ぶ方法を解説します。
多種多様な窓
一口に窓といっても、構成する素材、大きさ、開閉方法、デザインなど、さまざまな要素の組み合わせで成り立っており、住宅を構成する部位の中で、最もバリエーションの多い部位です。また、思ったほど陽が入らない、風が通らないなど、窓の選択一つを誤るだけで、とても暮らしにくい結果を招いてしまうほど、窓は生活の快適さを左右する重要な部位といえます。
柱や鴨居・敷居でできた壁の開口にガラス戸を建て込んだ以前の窓とは異なり、現在は枠と開閉する部分(=障子)が一体となったサッシが窓の主流です。ですので、窓はそういったサッシ製品のラインナップの中から、場に応じたものをチョイスしていくこととなります。
窓の選び方
部屋のどこに窓を設けるのかは、間取りを考えるときに同時に考えていきますが、窓に求める機能はさまざまなので、その大きさや高さ、開閉方法などは、間取りの上での検討だけでなく、多面的にチェックすることをおすすめします。
窓に付属させたい機能と部材
窓が建築のさまざまな要求を満たす際に、付属部材を併設することで、その効果をさらに高めることができます。
防犯用面格子や霧除け用のひさし、浴室用ブラインド内蔵サッシなどが一般的です。熱環境をコントロールする高機能部材もラインナップされています。
窓選びチェックリスト
光を活かす
・夏と冬の太陽高度の大きな違いを知り、隣家の影やひさしの影を考慮し、窓の高さや位置を決める
・窓を高い位置(天井付近・吹抜け・ハイサイド)に設けると、部屋の奥まで光を行き渡らせることができ有効
・型ガラスやすりガラスを用いるほうが、透明ガラスより光の拡散性が高く、部屋を均一に照らす
・横長窓より縦長窓のほうが、室内を均一に照らす
・天窓は、壁面窓の倍の明るさを得ることができる
風を通す
・風の入口と出口で同程度の大きさがあると有効
・入口と出口はよりストレートな配置のほうが、風が通りやすい
・入口と出口に高低差があると、無風の時にも通風が促される
・同面積の窓でも開閉方法により通風に有効な面積が異なる→引違いや上げ下げは半分以下、ルーバーや滑り出し窓は90%
・通風開口には防虫のための網戸も併設する。引違い以外の窓の場合、開閉方法に注意
熱を遮る
・夏の厳しい日射を避けるため、西側には大きな窓を設けない
・夏の直射光が当たる窓には、外付け日除け、遮熱ガラスを検討
・天窓を設ける場合は、遮熱対策を欠かさない
窓のデザイン
・窓はインテリアデザインの要点。配置、大きさ、縦横比、枠の見え方、色などスケッチをおこして確認したい
・外の景色を楽しむピクチャーウィンドウでは、ガラス面の大きさ、縦横のバランス、設置高さに配慮する
・窓辺に広がりや奥行きを持たせるために、出窓は有効
・カーテンやブラインドなど窓廻りの装飾部材についても考え合わせる
外観デザイン
・窓は、顔=家の外観の「目・鼻・口」に当たるもの。機能ばかりでなく、大きさ、配置のバランス、全体の統一感に配慮する
開閉方法
・最も一般的な引違い窓は、ある程度の幅が必要
・縦長窓の開閉は、上げ下げ窓、ルーバー窓、縦滑り出し窓、オーニング窓に限られる
・外側に張り出して開けるタイプの窓は、面格子と干渉するので要注意
・高所の窓は手で直接開閉できないため、オペレーターチェーンや電動開閉を検討する
ガラス選び
・透明ガラスと、視線を通しにくい型ガラスに大別される。型ガラスは「霞(かすみ)」「梨地(なしじ)」柄が一般的
・デザイン性の高いガラスとして、他にすりガラス、色ガラス、特殊なデザインガラスがある
・ガラスの断熱・遮熱対策についても検討
清掃方法
・高所につく窓や、外面に手が届かない窓の窓拭き方法を考慮する
・清掃のしにくい場所には型ガラスなど汚れの目立たないガラスを用いる
防犯
・1階の人目に付きにくい窓には、面格子や雨戸、シャッターなどで防犯対策が必要
・ガラスを破っての侵入可能な窓の大きさは25cm以上、それ以下のサイズなら格子なしも可
・防犯ガラスを検討
目隠し
・外からの視線を遮りたい場所や、目に入れたくない景色がある場合、小さい窓を採用する/面格子、ルーバーを設置する
・視線に対し高さをずらし設置する/不透明ガラスを採用する
窓のバリエーション
・引違い窓…最も一般的な窓
・はめごろし窓…シンプルなデザインで採光や眺望を期待する
・上げ下げ窓…下部の障子だけ開閉できるシングルハングと、上下障子可動型のダブルハングがある
・ルーバー窓…プライバシーを守りながら採光・通風を自由自在にコントロールできる
・内倒し窓…トイレやキッチン、または各種窓の欄間に換気・通風用の段窓として使われる
・突き出し窓…リビングをはじめ、キッチン、トイレなどの換気に適した小窓
・竪滑り出し窓…片開きの回転軸が横に移動しながら開閉する窓
・横滑り出し窓…突き出し窓と違い、障子を水平まで開くことができ、外側のガラス面の清掃がしやすい
・オーニング窓…オペレーターハンドルで複数の障子が同時に動き通風効果が高い
・折りたたみ窓…障子を両側にたたむことで、大きく開口。リビングとデッキを一体化できる
・外付けスクリーン…低い角度の直射光を防ぐのに有効な屋外用スクリーン。東西の窓に採用する
・外付けブラインド…窓の遮熱に最も効果の高い部材。スラットを稼働させることで、目隠し・防犯の機能も併せ持つ
・ルーバーひさし…アルミ製のひさしがルーバー状になっており、冬の角度の低い陽射しは室内に導き、夏の角度の高い日射は遮るつくりになっている